DaisukeTokita
時田の眼がレンズと同化して意識の流れを射出(射精)したときを、私たちは放出(夢精)の目撃者として体験する。こうして結界の狭間に導かれるものは、異様な時空の中に取り残されて、眩暈とともに覚醒することもある。
(画家・ペルー国立美術学校名誉教授 内海 信彦)

過日、東京医科歯科大学の文化祭の折に、写真部の展示会に彼らの作品を見に行った。単なる暗黒ではない、不思議な色を湛えた夜の闇の底を、幾筋かの光の曲線が切り取っていく写真である。この他にも、会場には何点かの彼の作品が並んでいた。大学の構内に張られた写真部への勧誘のポスターにあった「写真は微分である」という彼の言葉とは少し違ったものを、これらの写真に感じた。今回の写真展のタイトルは"the stream of consciousness"である。彼の頭の中には、単なる微分ではなく、それと裏腹な積分というか、連続ということがあるということがわかった。生まれてから死ぬまでの間は、ずっと連続した生命の活動がありながら、その一瞬一瞬をフラッシュバックできることがある。写真はそんな流れを切り取り提示することができる、素敵な表現手段なのだということを、彼は知っているのだろう。あまり多くの色遣いをせずに、沈潜したようなムードをかもし出す写真たち。彼の感性に大いに期待したい。
(東京医科歯科大学教養部 生物学教授・教養部長 和田 勝)

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