向後 伶利
5月のある日、1人の学生さんから飛び級の相談を受けた。 担任から4年生をパスして大学院生になることを勧められているという。 「勉強以外でやりたいことがあったら、飛び級をやめて、 そのために時間を使うのも一つの手だよ」と教員には、あるまじきアドバイスをした。 そして、1週間後、晴れやかな顔をして「写真が面白いから飛び級はしないことにした。」と話に来た。 その後、何回か写真を見せてもらう機会があった。写真を眺めていて、良い意味での若さを感じている。 表現したいものはあるのだけれど、それが、まだ客観化されていなくて、 そしてまた、そのための技法も模索しているような印象があるのだ。 でも、空気感や構図に対して面白いセンスが感じられる。 写真術には感性が重要なことは言うまでもない。 しかし、それに加えて現像や引伸し条件など科学的な事がらも表現の幅を左右する。 どうやら、現像液の調合で自分の気に入るような表現を実現することにも挑戦中のようで、 今度のグループ展で、どんな展開を見せてくれるのか楽しみにしている。
(東京工業大学 石川謙准教授)

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